[書評] 読書は「アウトプット」が99%
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最終更新日:2014/04/28
Book Review アウトプット, ビジネス書, 読書, 読書術
読書はいろんな知識や情報をインプットするためのものだとばかり思っていたのですが、それでは1%しか読書したことにならない。99%のアウトプットがなければ意味がないのだと。
読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)
読書に対する私の考え方を否定されるようなショッキングなタイトルに魅かれて、思わず手にとってしまったこの一冊。すっかり私の読書のバイブルとなりました。
では、さっそく覗いてみましょうか...
アウトプットの3要素
アウトプットの3要素は「話す」「書く」「行動する」だけ。なにも特別なことはありません。
読書した内容を話しましょう、読書メモを書きましょう、書いてあったことを一つだけでも実行してみましょう、ということです。
読書でインプットした知識や情報も、それを使わなければ宝の持ち腐れになりかねません。インプットしたものをちゃんと活用することでこそ、本に書かれていることが自分のものになるのです。
特にビジネス書は、読むだけでなく行動しないと意味がないのです。
伝える技術も身につける
人に何かを話して伝えるということ、それはとても高度な技術が必要なんです。なにも予備知識がない相手に、新しいことを伝えて理解させなければならないわけですから、自分が理解しているだけではダメなわけです。理解したことを、できる限り簡単に理解してもらいやすいように要約して、相手に合わせて再構成して話して聞かせないといけないわけです。
実はこれ、訓練でもしないかぎりなかなか難しいことなんです。一朝一夕にとはいきませんが、いろんな人と何度も「本の話」をすることによって、相手に伝える技術を身につけつつ、本の内容もより深く理解できるようになることができるのです。
ちなみに、私はこれが大の苦手。でもこの本を読んでみてチャレンジ初めています!
「乱読」のススメ!
ここで藤井さんは、「まえがきの最初の3行」で買う本を選べといいます。目次や著者のプロフィールなどで、その本が買うに値するかどうかの判断は概ねできるのですが、その本と自分との相性まではわかりません。もちろん読み進めればそれもわかってくるのですが、いちいちそんなことをやっていると大変です。
そこで、まえがきの3行を読んで決めることもすすめています。ようするに、ピンとくるかこないかで判断するのです。
この方法、実は私はすでに実践しています。というのも、誰かに紹介されたり、新著紹介の記事や広告を見ると、内容にかかわらずすぐに読んでみたくなる癖があります。でも、だからといって手当たり次第には買えませんので、たいていの場合は書店でまえがきや書き出しの辺りを読んで決めるようにしています。最近は、Amazonでも冒頭のほんの少しだけを読めるようになってきていますので、とても便利に使っています。
なかには、まえがきだけで買ってしまった後で、全然興味のない分野の本だということに気づいたこともありましたが...
本の選び方に自分なりの基準ができれば、あとは読みまくるだけ。場面場面で読む本を変えながら、数冊を並行して読むことをオススメしています。
また、読書時間をルーチン化して読むことで、習慣化してしまいましょうとも提案しています。
読書を最高の「自己投資」にする技術
なんといってもこの章がキモ。アウトプットの方法を実例を交えながら紹介・提案しています。
藤井さんは、とにかく行動することが重要であるということを、繰り返しいろいろな角度から説いています。特に、本のなかで紹介されるノウハウについては、そのうちの10%を目指して実行することを強調しています。読む、理解する、そして行動(実行)することで、読書から最大限のリターンを得ることができるのです。
読書会の運営方法についてもユニークな手法が紹介されています。事前に課題図書を読まずに参加してもらう読書会です。運営には様々なノウハウや工夫が必要だということですが、参加者にとっては、初めての本を短時間で読んで、内容を要約して発表するという訓練にもなります。また、短時間の間にすべてを読破できなくても、他の参加者がまとめを発表してくれるので、自分で読んだ場合と同程度の知識も得られるという一石二鳥の効果も期待できるとか。確かにそのとおりですね。事前に読んでから参加する読書会よりも、ハードルも下がりますので、気軽に参加しやすいというメリットもあります。
藤井さんの説明する読書を実行するためには、ちょっとした心構えと習慣化する工夫が必要かもしれません。はじめはなかなか慣れない作業に戸惑ったり時間がかかったりするでしょう。その結果、読書から大きなリターンを手にすることができるわけです。すべての本にあてはまるわけではないかもしれませんが、ビジネス書やノウハウ本などの読書の際には最適な方法でしょう。
ということで、まずはこの本読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)で実践してみることにします!
読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)
(藤井孝一著 三笠書房)
1章 もっと「本の話」を誰かとしよう
2章 「速読」よりも「乱読」せよ!
3章 読書を最高の「自己投資」にする技術
4章 「お金を稼ぐ人」は、本をこう読む!
5章 私は、こんな本を読んできた
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